教師はツラいよ

新米教員生活・本紹介などを主に。

子どもが嫌いで、小学校教師になるなんて夢にも思わなかった私が、小学校教員を志すことになった話。

 教師を志した「きっかけ」と、その後について。

 

 

こんばんわ。つか砂(tsukasuna)です。 

ご覧いただきありがとうございます。

 

今年の夏は、例外的な猛暑でした。

しかし、ツクツクボウシが夏の終わりを名残惜しむように泣き出したかと思えば、

いつの間にか猛暑は過ぎ去り、

気が付けば、キンモクセイの甘い香りが辺りを漂うようになってきました。

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いつの間に秋がやってきたのでしょうか。

今年の秋の到来は、いささか唐突であるように私は感じました。

 

 

さて今回は、わたしが「教師を志したきっかけ」についてお話ししたいと思います。

 

1.「小学校教師なんてありえない」と本気で思っていた

 

教師を志す―」 

というと、いかにも揺るぎのない、確固たる夢のように聞こえますが、

私が教師を志したのは、実は大学生になってからでした。

教師を志すまでは、自分が小学校の教師になっているなんて想像すらしていませんでした。中学校や高校教師はありとしても、

小学校で子どもの相手をするなんて、まずありえない!

と本気で思っていたのです。

 

なぜなら、

小学生といえば、すぐに鼻水たらすわ、鼻血出すわ…。

話したら話したで、まともに会話が成立しないからでした。

 

そんな理解を絶した子どもたちに四六時中囲まれて仕事をすると考えただけで、

私のこめかみは鈍く疼きました。

 

そんな私が結果的に小学校教師になったのですから、

人生というものは本当に、何があるか分からないものだと改めて思います。

 

高校時代、私が進学先の大学を決めた一番の理由は、

自分の偏差値に見合っていたから」という、

極めてクールな(というか冷めた)理由でした。

 

許してください。本当にただそれだけの理由です。

しかし、「偏差値」という度量衡しか持ち得ていなかった当時の私にとっては、

それが最も賢明でリアルな選択だったのです。

 

2.大学で出会ってしまった「教育」の面白さ

大学に無事合格し、順調に単位を取得していると、

どうやら自分の学部では、「小学校教諭の免許」が取得できる

ということが判明しました。

 

「まあ、教師って公務員だし?とれるものはとっておこうよ」

 

という軽率極まりない気持ちで、

小学校教諭の免許をとるべく勉強に勤しみました。

 

 教員養成系の授業ということで、

周囲には当然、生粋の教員志望者が大勢いらっしゃいました。

 

「小さい頃から小学校教師になるのが夢だった」

という揺るぎない使命感と教育的情熱に満ちた

友人達の澄んだまなざしを見るたびに、

「にわか教員志望者」である私の心は痛みました。

 

そんな心の痛みにも負けず、

免許に必要な単位を取得するべく、

子どもの認知発達や、各種教育論などを受講しているうちに…

やがて、気づいてしまったのです。

 

子どもの「学び」をデザインすることの面白さに。

子どもの思考の奥深さに。 

 子どもの「変容」のダイナミズムに。

 

「子ども」という存在そのものが、

たまらなく不思議で面白い存在だと思えたのです。

「子ども」に対する見方が180度変わった年でした。

 

教員という夢が芽吹いたのは、そこからです。

自分の将来の道が開けたときの

あの新鮮な気持ちは、

今でも忘れられません。

 

3.子どもは、世界の美しさを映す鏡だった

 教員という夢をもってから、私は少しでも経験を積みたいと思い、

子どもと関わることができるボランティアを必死に探しました。

 

「おい、正気か!?

つか砂が教師志望とかありえへん!

だってあんなに子ども嫌い言うてたやん!」

 

同窓会で友人が思わず驚倒するほど、

私はこれまで「子ども嫌い」として名を馳せた存在でした。

 

そんな危険極まりない存在ともいうべき私が、

子ども対象キャンプのキャンプリーダーを遂行したのです。

 

 

すると、何ということでしょう。

 

「あれ…?めっちゃ楽しいな…」

 

そこには、新たな世界が広がっていたのでした。

 

私が初めて参加させてもらったキャンプは、

日帰りのデイキャンプ形式でした。

半日とはいうものの、

○ハイキング

○各種レクリエーション

野外炊飯(カレー作り)

○スイカ割り大会

と、内容が盛りだくさんでした。

 

野外活動自体に関しては、

私は何度も経験があったため、感動は無かったのですが、

 

子どもと一緒にキャンプをする」

これは、私にとって大変新鮮な体験でした。

 

これは教員である現在も思うことですが、

子どもと活動することで、

普段見過ごしがちな些末な感動驚きを再発見することができます。

 

大人なら何気無くやってのけること一つ一つに、

子どもはたくさんの感動や気付きを見出だしています。

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例えば、雑木林の中を子どもと一緒に散策していると、

子どもは次々と不思議な出会いをします。

小指の爪の大きさほどのどんぐり。

控え目に傘を広げる赤いきのこ

ふさふさの毛を蓄えたヒトリガの幼虫。

草影にこっそりと生えたカエデの幼木。

 

足元には、こんなに素敵な世界が広がっているのだということを、

子どもの眼を通して私達は再認することになります。

 

子どもには、その幼さゆえに理解できないことが存在することの裏返しに、

子どもにしか理解できない世界観があり、価値があり、感動があると思っています。

 

いわゆる「センス・オブ・ワンダー」と呼ばれるものです。

 

少し大袈裟な言い方になりますが、

 

私にとってキャンプリーダー活動とは、

子どもの眼を通して世界を素朴に捉え直す活動でした。

 

そして教師になった今も、

子どもとともに、身近にある不思議を見付けることを大切にしたいと思っています。

 

今回は、私が教師を志すきっかけと、大学や学外活動で学んだことについて書かせていただきました。

 

ご覧いただき、ありがとうございました。

                             :tsukasuna